【解説】ブリティッシュ・エアウェイズ38便着陸失敗事故について

航空無線

ブリティッシュ・エアウェイズ38便墜落事故について

2008年1月17日、北京首都国際空港からロンドンのヒースロー空港に向かっていたブリティッシュ・エアウェイズ38便が、滑走路手前で墜落した航空インシデントです。

着陸のため通常通り、滑走路27へ進入しており直前まで何も異常はありませんでした。

しかし滑走路手前(約3km)、高度600フィートあたりを飛行中に突如としてエンジンスロットルの反応がなくなり、墜落。

機体下部を地上に擦りながら滑走路直前で停止しました。墜落時にエンジンと主翼から燃料が漏れていましたが、火災は発生せず死者は出ませんでした。

着陸態勢に入っていたこともあり、全員がシートベルトを着用していたこと、そして火災が発生しなかったことによる脱出にかける時間が生まれたことが全員生存に繋がったと言えます。

同機は着陸時にエンジンが両方とも停止(ストール)した状態でしたが、同時に犠牲者が出なかったこともあり当時操縦を担当していた副操縦士がイギリスで英雄視されました。

基本情報

【航空会社】

ブリティッシュ・エアウェイズは、イギリスの大手航空フラッグキャリアです。

ヨーロッパでは3位の規模を誇る航空会社です。

国際的な航空連合「ワン・ワールド」グループに加盟しており、ロンドンのヒースロー空港を拠点に世界中の路線に就航しています。

日本への就航はヨーロッパの航空会社で最も早く、1976年には英仏共同開発による超音速旅客機・コンコルドを運航していました。(ブリティッシュ・エアウェイズでのコンコルド運航は2003年10月で終了しています)

(ブリティッシュ・エアウェイズのボーイング747)

◆飛行経緯◆ 以下、飛行経緯に沿って動画を解説します。

0:45~ BAW38:メーデー、メーデー、スピードバード、スピードバード、95、95…!機長より緊急事態宣言が出されますが、この時点でエンジンの推力は失われており、そのまま滑走路手前で墜落してしまいます。

0:50~(衝撃音):機体下部を地上に擦りながら不時着しています。

0:58~ タワー:航空事故発生、航空事故発生。事故発生点は滑走路27Lの手前、機種ボーイング777型旅客機が墜落した。南側で事故が発生。(管制官より、事故が発生したと管制内で連絡しています。

1:19~ タワー:カターリ011…(管制官がカタール航空に着陸復行を呼びかけますが、墜落したブリティッシュ・エアウェイズと混線してしまいます。

1:21~ 38便:こちら機長、緊急事態発生。脱出してください、脱出してください。(機長が周波数を繋いだまま、話してしまい混線します。

1:21~ タワー:カターリ011、着陸復行せよ。着陸復行せよ。

1:31~ カタール航空11便:カターリ011、着陸復行する。

1:35~ 以降は、消防班と交信及び管制官同士の交信になります。

原因調査

イギリスの航空事故調査局は事故の原因として、フライト中に燃料供給システム内で燃料の水分が固まってしまい、エンジンに供給される燃料が制限され、エンジンの推力が落ちてしまったためと報告しています。

これにより、低温の環境で長時間フライトを続けるうちに燃料供給システムで異常が発生。

着陸態勢に入った際にパイロットが燃料供給を一気に増量した結果、燃料供給が一気に制限されてしまい墜落してしまいました。

また、報告書では、機長が墜落の直前でフラップを操作したことが、全員生存に繋がったと明記されています。

もしこの操作が無かった場合、機体は市街地に墜落し、大惨事になっていたことが明らかになっています。

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